浜松市中区 大腿骨頭すべり症
2018-04-07
思春期の子供の股関節に起こる疾患の大腿骨頭すべり症
子供の大腿骨頭には骨が成長する部分となる骨端線があって、成長が盛んな時期には強度が弱く血行不全だけでなく力学的にも障害を受けやすいのです。
外力で力学的弱点である骨端線にずれが生じることを骨端線損傷と呼ぶのですが、特に股関節に近い大腿骨頭の骨端線が後方にすべってしまうのは大腿骨頭すべり症と呼びます。
思春期の子供の股関節に起こる疾患のひとつで、好発年齢は男児なら10~15歳で、女児は9~13歳です。
性別としては男児に多く見られる傾向にあって体格的には肥満児に多く、比較的めずらしい病気なので診断や治療が難しいといった特徴があります。
また日常動作や比較的軽微な外力で骨端線が障害されるので発症時期がはっきりしないため、慢性の経過をたどる場合もあるのです。
発症する原因のひとつとして内分泌系の異常が考えられているのですが、現段階では明らかな関連は証明されていません。
また、先にも触れましたが転倒などの軽い外傷や肥満による体重増加など、力学的要因も関与して発症すると考えられているのです。
症状としては、股関節に近い骨端線がすべって変形するので、痛みや関節の動きの異常、跛行といった歩行障害が見られます。
それから病気のタイプとして、転倒などの軽い外傷をきっかけに急激に発症して歩けなくなる不安定型があります。
また、少しずつすべりが生じて歩くことができる安定型というものがあって、この2つに分類することができます。
大腿骨頭すべり症の治療は急性と慢性により違って、急性に生じた場合は痛みが強いため比較的診断がつきやすく診断がつきしだい入院になります。
治療としては牽引療法や麻酔をかけた状態でやさしくゆっくりと骨端線損傷のすべりをもどす整復が行われます。
すべりが戻ったのちには、また再びすべることがないように骨端線を貫くようにスクリューで固定をして骨成長が終了した後に抜きます。
このような手術治療が必要になるのは、すべりが酷くなる可能性があって緊急性を要する、合併症として骨頭壊死になることがある、小児科で内分泌の病気がないか検査する必要があるといった特徴があるためです。
ただし重度の場合には、成人してから股関節症の原因になる可能性が高いので、骨を切る矯正骨切り術が必要なケースもあります。
一方慢性の場合は長い経過ですべりが生じているため、骨端線のすべりを元に戻す整復術は困難で、無理な整復を試みて骨端線の軟骨細胞を痛めると、長期的に股関節の変形や疼痛を生じることがあるのです。
その為、骨端線の変形が著しい場合には骨切り術を行って変形による股関節の動きの異常が生じないように治療します。
いずれにしても的確な診断と慎重な治療が必要で、早期に発見してすべりの程度が軽いうちに治療を受けることが大事です。
もし思春期の子供に股関節や太ももからひざにかけて痛みが生じていたり、脚を引きずって歩いたりするような時は、大腿骨頭すべり症の可能性もあるので整形外科を受診することをおすすめします。
浜松市中区 大腿骨頭すべり症なら、「タスク整体院 浜松早出町」にお任せください。